先日、弊社のスタッフが
こんな話をしていました。
食事の準備中に5歳のお子さんが
お茶をこぼしてしまったようで、
自分でこぼしたお茶を
拭いていたそうです。
後から確認すると、
まだこぼれたお茶が残っていたので
「ちゃんと拭けてないじゃん」
とお子さんに言ってしまったそうです。
お子さんはしょんぼりした顔をしていたようで、
自分から率先して拭いてくれた
ことをほめるべきだった
とスタッフは反省している様子でした。
僕はこの出来事を聞いて、こんな話をしました。
お茶がしっかり“拭けているか”という
「結果」だけを見ようとしているけど、
お子さんは“拭いた”という
「事実」を認めてほしかったのでは。
できていないことに
つい目が行きがちだけど、
お子さんの一つ一つの行動に
目を向けてみてはどうだろうか?
と。
コーチングスキルの1つに
「事実承認」というものがあります。
事実承認は、相手の成長や
変化などのプロセスを
そのまま言葉にして認めることです。
部下育成の場面では、
「業務のスピードが上がったね」
「この資料、よくまとまっているね」
「会議で積極的に発言していたね」
「いつも一番に出社しているね」
など、部下の行動や成長した部分など
事実をそのまま伝えるだけでいいんです。
相手のよい点や出した成果を
ほめるわけでもないし、
「良い・悪い」の評価を
するわけでもないので、
比較的簡単に実践できるのが
事実承認のいいところなんです。
そして、この事実承認は、
相手が承認されることを
待ち望んでいないことが多いので、
「そんなところを見てくれていたんだ」
「気にかけてくれているんだ」
という実感を持つことができ、
信頼関係が築かれます。
承認された側は、
自分の成長や変化を
認識することができるので
「もっと成長できるようにさらに挑戦しよう」
というやる気や自発性を促す
こともできます。
僕は、事実承認のことを
「栄養のシャワー」だと言っています。
「こぼしたお茶を拭いてくれたんだね。」
これだけでいいんです!
ぜひ、皆さんも部下やお子さんの
行動に注目して、
栄養のシャワーをたくさん浴びせましょう!
絶対大丈夫
野津浩嗣