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avanti 2004年6月号

上司が変われば部下が変わる ~コーチングの可能性 Vol.1~
「自ら考え自発的に行動できる部下になって欲しい」。そんな時代が求める人材を育てるのは、他でもないあなた自身です。「コ−チング」を使って部下を、そして自分自身を高めましょう。

コーチの歴史

「コーチ」という言葉が最初に登場したのは、1500年代。大切な人を目的地まで送り届ける「馬車」という意味から派生しました。1880年代には、スポーツコーチが登場し、1950年頃には、ビジネスの分野でコーチの手法、「コーチング」が注目され始めました。コーチングスキルを部下育成や業績アップに活かし始めたのです。

アメリカでは、1980年頃にはビジネス界のコーチが登場し始め、経営者や管理職の人々がコーチングを受けるようになりました。日本では1997年より、コーチを育成するプログラムが始まりました。ゼネラル・エレクトリック社のジャック・ウェルチ会長のコーチングの効果に対するインタビューや報道の効果もあり、2000年頃から注目され始め、コーチングを取り入れる企業や病院が増えつつあります。

いま、なぜコーチングが必要とされているのか?

近年、コーチングを導入する企業が増えてきた理由を「人」「組織」という観点から述べてみます。
価値観が多様化する今日、消費者に売り手の商品やサービスを一方的にあてがうのではなく、顧客一人ひとりのニーズに合わせた提案をする必要があります。また、以前は企業のブランド力で仕事が成立していましたが、今はそれでは通用しません。社会全体が実力主義になってきており、現場の社員一人ひとりの能力が問われています。つまり、よりよい提案をするためには、まず相手(顧客)から情報やニーズを引き出す技術が求められています。そのためには、相手に説明することより、「聞く能力」を高めることが必要とされているのです。

そういった背景から、今、企業や組織では、自ら考え、自発的に行動する自立型の人材が求められています。しかし、従来の上司から部下への「支持命令型」の育成では、自立した人材は育ちません。部下側が持っている答えや能力を最大限に発揮させるには、質問型コミュニケーション、「コーチング型」に変えていく必要があるのです。

部下の能力を引き出すには、「聞くこと」と「信頼関係」が大切

それでは実際にどうすればコーチングで部下の力を引き出すことができるのでしょうか?そのためにはまず、「よく部下の話を聞くということ」が大切です。聞くことで、相手には信頼感が増します。また、人間の脳は、言語の約20〜30倍のスピードで考えていますので、部下に自分の考えていることをアウトプットさせることで、自分自身が何を考え、何をしたいのかを明確にさせる働きもあるのです。

また、よく聞いてくれる上司であればあるほど、安心してコミュニケーションをとることができます。そうすることで、自由に意見の言い合える環境になるのです。人間は、「聞くチャンネル」を約200〜250チャンネル持っていると言われています。いつもはほぼ無意識に自分の得意なチャンネルを選んで聞いており、相手の話したいチャンネルと、自分の聞くチャンネルが合っているということは非常に稀です。ですから、相手の話を聞く時には、「相手の話したいチャンネルで聞くことができるか」が大切になってきます。

「コーチング」とは、上司が部下に質問をして、部下が上司にこたえるという双方向型コミュニケーション、質問型のコミュニケーションです。話し手と聞き手、上司と部下、コーチとクライアント(コーチングを受ける側)の関係、その2人の中の信頼関係がどのくらい成立しているかが大切になってきます。「どうせ私が発言しても聞いてくれない」では信頼関係は築けません。ですから、いかにこの人に安心して話すことができるのか、それが非常に大切です。この状態を、私たちはコーチとクライアンとの間にラポールがかかっていると言います。

会話の中で、言語だけで伝わるのは7%にしか過ぎないと言われています。それ以外の非言語の部分(うなずいたり、相槌を打ったり、同じ言葉を返すオウム返しや、“間”やスピード、声のトーン、声の響き、身ぶり手ぶりなど)が93%を占めているのです。ですから、聞く時には、言語だけに捉われず、その人全てを聞く必要があります。

コミュニケーションの信頼関係を妨げるもの

相手が自分の考えと違うと、「違うよ」と言ったり、相手が相談しにきているのに、「お前が悪いじゃん」という気持ちが起こり、ついつい全部を聞かないうちに話をしてしまった経験はありませんか?また、相談されて、自分が体験したことのある内容だと、自分の体験談のみを相手に押し付けるような発言をしてしまったり、あまりにはっきりしない物言いだとイライラしてしまったり、「次はこんなことをいうんじゃないのかな」と、自分で勝手にシナリオを作って聞いてしまったり…。

このように、相手の話したいチャンネルに自分の聞くチャンネルを合わすことができない状態を「ブロッキング」といいます。ブロッキングをせずに、相手の話し方など、言葉以外の部分まで全て聞くことで、「聞いてもらった感じがする」と相手に感じさせることが重要です。そうすれば「まずは相談してみよう」と思い、組織内で自由に意見を述べることのできる環境が整います。

コミュニケーションでの「質問」の役割

相手に話をさせるためには、有効的な質問の仕方を知っておく必要があります。質問には、「自分のわからないことを知るために、相手から情報を収集する質問」と、「相手に考えさせたり、気づかせるための質問」の2つの役割があります。コーチングでは、後者が最も重要で、質問をすることで、相手の考えや意見に興味があることを確認できたり、悩んでいる時に考え方の視点を変えてあげることができます。

その方法として『オープンクエスチョン』という方法があります。これは、「6W3H」を用いて質問する手法です。これを使うと、相手に考えさせるきっかけを作ることができます。しかし「WHY(なぜ)」を使った質問には注意が必要です。「WHY」を使って質問する場合は、「なぜできなかったの」「なぜわからないの」というように、怒られたり否定される「咎め質問」のケースがほとんどです。よって答える側はつい「だって〜だもん」と言い訳をしてしまいます。小さい頃から何百万回と体験することで、脳は記憶しており、「なぜ」と質問されるとつい言い訳をしてしまいます。つまり、「WHY」を使った質問を部下にするということは、部下に言い訳をしてもいいんだよと承諾しているのと同じなのです。

「WHY」の代わりに「WHAT(どのように)」や「HOW(何)」を使うことをオススメします。例えば「なぜできなっかたの」と質問するときには、「これから何に注意してやっていったらいいのでしょうか」や「どうやったら今後できるようになるんでしょうね」という感じです。「WHAT」や「HOW」には、潜在的な問題をはっきりさせる効果があり、一緒に考えていくという意味合いがあります。つまり、相手を責めるのではなく、「一緒にその問題を解決していきましょう」というスタンスのコミュニケーションを取ることができるようになるのです。

6W3H… When(いつ)、Where(どこ)、Who(だれ)、Which(どれを)、What(なに)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで)、How many(どれくらい)

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