コーチ/コーチングとは

HOME  >  コーチ/コーチングとは  >  雑誌記事紹介(パブリック集)  >  上司が変われば部下が変わる ~コーチングの可能性 vol.2「承認」~

avanti 2004年11月号

上司が変われば部下が変わる ~コーチングの可能性 Vol.2「承認」~
あなたは最近まわりの人をほめていますか?どうやってほめていますか?
今回は「ほめて伸ばす」コーチングの手法についての話です。

部下やスタッフをほめていますか?

経営者や管理職の方を相手に、「部下やスタッフをほめていますか?」という質問を投げかけると、3割弱の人しかYESの答えは返ってきません。NOの人の理由は、「自分の期待まで到達していない」「上司という立場上、ついつい厳しくいってしまう」「時間に追われて、ひとりの部下のために時間がとれない」「いいほめ言葉を知らない」などがあげられます。このように上司として部下をほめること、つまり承認することが上手にできていないのが現状のようです。

コーチングでは、承認することを『アクノレッジメント』と言います。『アクノレッジメント』の意味は、ただ「ほめる」という意味だけではありません。「存在を認める」「感謝する」「仕事を任せる」などの意味も含まれます。広い意味で相手の存在や行動を認めることで、「自分自身の存在を上司が認めてくれているな」と感じます。すると「その人のためにがんばろう」と思うのです。

結果だけではなく、一つひとつのプロセスを指摘する

コーチングには、『結果承認』と『事実承認』の2パターンの承認方法があります。『結果承認』とは、相手が目標=ゴールに達したときにほめること。例えば、職種が営業であれば、売上目標を達成した時に、「100%達成おめでとう!」とほめることです。その人が作り出した結果というのは、とてもほめやすいですよね。では、もし、これが40%の達成率だったらどうでしょうか?

次に、『事実承認』とは、目標=ゴールに達するまでのプロセスを指摘することです。例え結果が40%であったとしても、「お客様に会うことができたんだね」「商談することができるようになったんだね」「商談をまとめて、企画書が作れるようになったんだね」と、一つひとつの成長や成果に目を向けて、指摘するのです。できあがった結果だけを見るのではなく、そのプロセスに目を向けることによる一つひとつの指摘の積み重ねが、部下に自信をつけ、やる気を起こさせるのです。

100点とってきた子供をどうやってほめる?

「すごいね」「がんばってるね」「お母さん、うれしい」「さすが!」

ほめる時、あなたはどのような言葉で相手をほめていますか?言われて一番うれしいのはどの言葉でしょうか?

コーチングの『承認』には、3つのメッセージがあります。「あなたは●●です」という『YOUメッセージ』。「私は●●です」という『Iメッセージ』。そして「私たちは●●です」という『WEメッセージ』です。よく耳にするほめ言葉、「すごいね」「がんばってるね」「さすが!」などの主語は、「あなた」つまり『YOUメッセージ』です。しかし、人をやる気にさせる承認のメッセージは、「私」が主語の『Iメッセージ』です。

上記でいうと「お母さん、うれしい」がそれにあたります。これは「私」が主語の『Iメッセージ』です。『YOUメッセージ』で承認された時は、もちろんとてもうれしい気持ちになりますが、その気持ちはすぐに消えてしまいます。『YOUメッセージ』は残存率が低いのです。また、『YOUメッセージ』で「あなたはすごいですね。がんばってますね。やってますね」と言われると、つい照れてしまったり、時には、ほめられすぎて裏があるのでは、と疑って、素直に喜べない場合もあります。

「がんばってますね」を『Iメッセージ』に変換してみると、「あなたががんばってるから、私もがんばれる」になります。こう言われると、否定はできませんし、素直に「私を見てそんな風に思ってくれているんだ」と自分の中に受け止めることができて、とても残存率が高いのです。なぜなら、『Iメッセージ』を受けると、自分の存在が周りにいい影響を与えているということや、自分の存在価値を確認することができるからです。

『WEメッセージ』に関しては、組織やグループの長(リーダー)がグループ全体を承認する時に、「私達、本当に良く頑張ったね!」と承認するとメンバーとの距離が縮まり、より一体感を作ることができます。また、目標設定においても『WEメッセージ』は効果があります。「あなたの今年の目標は何?」これを『WEメッセージ』に置き換えると「私達はどんな目標を設定しようか?」になります。部下が上司をより近くに感じるのはどちらでしょうか?

メールの1行目の『Iメッセージ』で「ホウ・レン・ソウ」が円滑に

例えば、コーチングを社員教育に導入している某大手電器メーカーでは、『事実承認』と『Iメッセージ』で部下の「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」が増えたそうです。

外回りの営業マンが多いその会社では、コーチング研修前までは営業マンが会社に戻ってきて、ミーティングの時間を作っていたそうです。そのミーティング内での報告は基本的に営業成績、つまり結果がほとんどでした。しかし、研修後は、上司が外回りをしている営業マンに現場まで会いに行っています。そして、現場の一場面、いわば営業活動のプロセスを見て、移動中にミーティングをしています。これは『事実承認』のひとつの形です。このようにプロセスを見て、承認することで、現場のことを一番よく知っている営業マンの声がきちんと上司へ伝わるようになったそうです。

もうひとつのテクニックである『Iメッセージ』が、活用されたのは社内メールです。
部下が上司にメールで報告事項を流します。そうすると、上司はできるだけクイックレスポンスで、メールの1行目には必ず「君からの報告を受けて、とてもうれしいです」という『Iメッセージ』を書きます。そうすると、部下は「私の報告をちゃんと上司は見てくれているんだ。認めてくれているんだ。」と感じます。そしてすぐに返信を書きます。そうすると上司は、「すぐに返事がきてうれしいです」とまた『Iメッセージ』で返します。そのようなやりとりがあると部下は、自分の価値を認めてくれているこの上司のためにがんばろう!と思います。こうやって現場の声を一番よく知っている部下からの声がスムーズに上司へと上がってくるようになったということです。

実際現在は、「売上を上げろ上げろ!」と言うばかりだったり、「少しはできるあいつを見習え」と他人と比較したり、なかなか承認を上手にできていない企業が多いように思います。まずはどんな小さなことでもいいから、ほめてみてください。そして、意識して『Iメッセージ』や『WEメッセージ』を使ってください。『Iメッセージ』や『WEメッセージ』は、実際意識しないとなかなかできないものです。

このようにコーチングには、部下(相手)をやる気にさせるスキルがたくさんあります。人材を人財に変えることができるのは、上司の腕にかかっていると言っても良いのかもしれません。

お問合わせ、資料請求、各種ご相談は TEL:092-762-5859 プロコーチ派遣・養成 アニメートエンタープライズ

  • メールでの各種受付、ご相談はこちら
  • 弊社会社概要、アクセス方法はこちら